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この音をどのように弾きたい?
Twitter上にて、biaslookさんが、
昨日のピアノレッスンで「この音をどのように弾きたい?」と聞かれて全く答えられず。そんなこと考えたこともありませんでした。解決策が全くみえない。
と発言されていたのに対し、
私には自分なりの見解というか、答えがあるので
先ほど更新した勢いを利用して投稿。

題材は、ショパン作曲の スケルツォ2番 変ロ短調(Op.31)
作曲されたのは、1837年とされています。

私は曲を演奏する上で以下のことを重要に考えています。
「全体」をイメージした上で、「ディティール」にこだわる

まずは、全体像をぼんやり作ります。
作曲家へ影響を与えた要素を理解するアプローチです。
作曲された環境を知る事です。


●人を知る
→ ショパンという個人の〜1837年の人生(パーソナルを知る)
→ ショパンの近い交友関係(両親、パートナー、友人を知る)
→ 交友はないが影響を与えたであろう同年代の人物(時代背景を知る)
  ※音楽に限らない

●政治・文化を知る
→ ショパンの祖国、ポーランドという国のおかれていた情勢を知る
→ ショパンの亡命先(フランス)を知る
→ 食、言語、美術、文学、etc...

これらの情報(文字、映像、音)を知っていく上で、
「なぜ?」がたくさん出てくると思います。
これらにひとつずつ仮説を加えていきます。

たとえば、以下の情報があります。

1830年にポーランドでロシアの支配に反対する国民的蜂起がおこったことを契機として、作曲家ショパンは亡命の道をえらんだ。

この時、ショパンはどのような心境だったのでしょうか?
残された情報からしか推測することはできないかもしれませんが、
同じ人間として仮説を立てることができます。

次に、曲を知るアプローチへ移ります。
スケルツオ2番はさまざまな演奏家が演奏していますが、
それぞれ想像力あふれる解釈をしています。

私はショパンを知っていくにつれて
非常に感情の起伏が激しい人間だと思っていますので
音楽にも隠しきれるものではないと考えています。

そういう視点からみると、
とても感情の起伏のはげしい曲に聞こえてきませんか?
まるで躁鬱の人を見ているような気になります。
誤解を恐れず言えば、大げさ(笑)

たとえば、スケルツオ2番の冒頭部分からのイメージの草稿です。
----------------------------------------------------------------
出だし箇所では、
ものすごく深刻な(怒りがまざったような)情景をイメージしました。
→ これを暗闇に明かりをともすような と先生は表現されました。
そういう心境の中、次々と怒りが訪れてきます、あれもこれもです。

☆ピアノの前に座るショパンは、
 昨日のジョルジュ・サンドとの喧嘩を思い出し憂鬱。

しかし、次の瞬間には、
いろいろ悩んでいた割には、
こんないい事もある、あんなこともあるじゃないか、など
ポジティブな思考が訪れてきます。

☆怒るに飽きたショパンは、
 ジョルジュ・サンドが作ってくれたおいしい料理の事を思い出し明るくなり
 あやまろうと心に決めました。

※ジョルジュ・サンドはレシピを残しています
http://www.amazon.co.jp/Autour-Table-Dodo-Press-George/dp/1409921069

そして気分良くなってきて、
鼻歌交じりで歌まで歌ってしまう

☆そして、明日の公園へのデートの事を考え出したのです

---------------------------------------------------------------

このように、ひとつひとつのフレーズに対し、
勝手なイメージをつけていく作業をされると
より曲に深みを持てるのではないでしょうか。

ただし、モーツアルトは上記とはだいぶ違うなアプローチが求められていると思っています。
なぜならアプローチは作曲家の個性に依存するところが大きいからです。

ショパンという人間は、
非常に受容性に富んだ人間だと思っていますので、
周りの影響をもろに受けたものと考えています。
なので上記のように彼自身もそうですが、
周囲を深く研究しました。

しかし、モーツアルトで言えば、
ショパンに比べれば感情の起伏も激しくはなく
受容性よりは凝縮性(こだわり)が強く感じています。

また、それ以上にロジカルシンキングといいますか、
論理性に強かったイメージを持っています。

上記をベースに研究対象を絞ります。
影響の範囲はショパンより狭かったものと感じています。
何をもって狭いというのは非常に説明しずらいですが。

最低限自分自身がやったことですが、
モーツアルトの時代はフォルテピアノが主流だったので
これはピアノソナタを理解していく上で非常に重要だとおもい
ピアノフォルテの楽器の構造と音はおさえました。
これは表現の役に立ちました。

また、モーツアルトはいたずらが大好きです。
演奏していても意地悪な仕掛けをたくさん発見します。
彼のパーソナリティを知る上でも書簡などは目を通しておきました。
これはいたずら(意外性)を浮かび上がらせる上で役に立ちました。
 
その過程でモーツアルトのピアノソナタの中には、
真面目に作曲しているように見えて、
心の中では笑いながら作っているんじゃないか?
と思う曲をいくつか発見しました。

上記のようなアナリーゼする道筋(プロセス)をつくることも、
演奏のひとつの楽しみかもしれません。

結論:
曲の背景にある人間や環境を知ることが、
曲をイメージする唯一の道である。

以上です。
| Music | 02:58 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |
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コメント
解説ありがとうございます。なんとなくは分かります。ただ、今の私には手に余ります。書いていただいた内容は、全体的なことであり、それは最終段階に当たると思います。しかし、私はそこの領域にまで達しておらず、楽譜をどのように読むかで立ち止まっています。
「この音は強く?弱く?」「この和音はどのような音をだすべきか?」「このスラーの意味は?」などが今の私に必要なことで、それをどうすれば学べるかと模索中です。

「演奏法の基礎」という本を昨晩から読み始めましたが、そこにリズムやそれぞれの音の出し方が書いてあり、まずはここから、と思っています。

作者の心を考えて弾くのも必要とは思っており、モーツァルト大事典や書簡集などを買おうか迷ってます。
| biaslook | 2009/11/26 1:37 AM |
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